主人公「ユキオ」は、ある家庭環境の下で思春期を過ごし、閉塞感を胸に抱えて生きていた。漠然と感じる未来への不安――。満たされない気持ちがあるからこそ憧れる、「永遠の愛」。
　二十歳になったある日、彼は、一人の少女――「れいか」と出会い、彼女に恋をする。時には幸せを感じ、時には憂鬱と闘い――二人は、風のように時間を駆け抜けた。
　“タイトルに色の名前が付く小説シリーズ”――ココロの傷を背負った男女がおりなす恋愛物語第1弾。
　麗夏由紀夫、処女作品。

　「池澤真弓」という主人公――特殊な世界――風俗で働く少女と、「稲垣知哉」という男性の恋愛物語。彼もまた、特別な世界で働く人間だった。
　彼らは、自分の生きる環境が「バイオレット」だと感じる。華やかな中にも憂鬱な色――そんな世界――。
　でも、きっと、彼らの想いは、誰のココロの中にも存在する。
　僕はこの作品で、彼らの声を皆さんに届けたかった。
　“タイトルに色の名前が付く小説シリーズ”――ココロの傷を背負った男女がおりなす恋愛物語第2弾。
　

　彼らは、「求める」ようにして東京へと旅立った。彼らは、「逃れる」ようにして東京へと旅立った。しかし、夢みたハズの「その場所」で感じたコトは――。時に「何か」に巡り会い、時に「何か」に怯え、時に「何か」を見失い――。
　東京移民――地方から上京した主人公たちが、それぞれに出会った女性とおりなすセミドキュメンタリー・タッチの恋愛小説集。

　※既に公開されている短編小説5作品、中編小説1作品をまとめ、2007年4月、新たに「あとがきにかえて」を追加。