楡家の人々
にれけのひとびと
戦前の「青山脳病院」の人々を描いた私小説です。初代の斉藤紀一、その子供達、養子の、茂吉、出羽ヶ嶽文治郎、茂太、使用人達、女性達、それぞれが強い個性でいきいきと描かれています。脳病院は、青南小学校のすぐそば(王子製紙社宅)にありました。当時の青山の様子が目に浮かぶようです。松本文具店は、高島文具店として登場しますし、日銀の社宅は、以前は広い野原で(本尾の原)柿や桜の木があったことがわかります。青山脳病院は、それぞれ形の違う7つの塔を持った、かなり人目をひく大規模な建物でした。図工の時間のかっこうの写生の材料に使われたそうで、青南関係者にとっては、興味の尽きない本です。
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