Timpani奏者の苦労
東京にてかすみさんとお話していた時に、オケを含めてティンパニの演奏を誉められました。それと続けられないのはもったいないと。続けられない本当の理由は、演奏において曲の持つ凄まじいまでの感情を表現することが歳を取るにつれ困難になって来るからです。
演奏家の役割とは、作曲家が曲に込めた思いと作曲家の感じた感動を、演奏という行為を持って聴衆に伝えることです。
そして演奏とは曲に合わせて本気で怒りや悲しみの感情を変化させて音色に委ねることです。
ティンパニは影響力が大きい反面ソロ楽器なので、ダイナミックさと繊細さという相反する性質を要求されます。
天地を切り裂くような激しい音を奏でながら、同時に冷静でなければなりません。
演奏中だけならまだしも、長くて半年にも及ぶ練習の間、激しい感情の起伏と冷静さを保つ緊張を体感せねばなりません。
この文章を書いている間でさえ当時を思い出してちょっと辛い気持ちです。思い出すことすらしたくないです。
それに、苦労の日々は演奏後の拍手を持って報われる…はずなのですが、最近では練習場所もなくてどんどん演奏の腕が
落ちて行き、苦労が必ずしも良い結果につながらなくなって来たからです。
正確には自分が報われないからというよりは、自分は既にオケにとって必要な存在ではないと悟り、オケを去りました。
2 Comments:
文章を読んで、私なりに感ずるところがたくさんありました。
表面の軽い部分で、言ってしまって申し訳ありませんでした。
ううん。かすみさんが知りたいだろうことを書こうとしたのに少々愚痴っぽくなってしまってこちらこそ申し訳ないです。
ただ、これを機会に練習日記にオケ関係のお話も時々載せるかも…
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