給食と鯨肉 


鯨肉が使われた背景

☆ 1食あたりの予算が少ない中、魚肉類は1回あたり何グラムとるという基準量が決まっていた。

☆ 赤肉部分は、牛豚より安く豊富な食材だった。

☆ 悪玉コレステロールが少なく、食品栄養価が優れていた。


鯨肉豆知識

★ 一番美味しいのは尾肉:背びれから尾の付け根までの肉(牛でいう霜降り肉の部分)←値段が高いので給食では使われなかった。

★ 鯨肉が黒いのは、解体処理の際、大き過ぎて充分な血抜きができないから。

★ 牛、豚と比べて繊維が荒くて火の通りが3倍速い。

★ 食用とされたのは、シロナガス鯨、ザトウ鯨、イワシ鯨、ミンク鯨、セミ鯨、ニタリ鯨、マッコウ鯨、コク鯨 ナガス鯨、ボウヘッド鯨など。

★ 昭和50年代に、鯨の捕獲頭数が減り高値になってきた。給食費の値上げとともに鯨は給食から姿を消して行った。

★ 同時期、同じ理由で動物園は動物の飼料を鯨肉から馬肉に代えた。


鯨肉メニューのご紹介


鯨の立田揚げ 

鯨を厚さ5ミリのそぎ切りにする。 しょうが汁、しょうゆ、油を混ぜ合わせたつけ汁に鯨肉を30分つけ込み下味(臭みを消すため)をつけ、

170度程度の油で3分間揚げる。


鯨のオーロラソース

鯨を2センチ角にし、しょうが汁、しょうゆを合わせたつけ汁に30分入れ下味をつけ、汁気を切った鯨肉に片栗粉をまぶし170度の油で3分揚げる。

ウスターソース、砂糖、トマトケチャップ、化学調味料、水を入れ一煮立ちさせ揚げた鯨肉に絡ませる。


その他のメニュー 

鯨の大和煮 酢鯨(酢豚のくじら版) すきやき風煮(牛肉のかわりに鯨)


鯨はあらゆる肉料理の代用品になった。学校でしか見た事も食べた事もないふしぎな食べ物だった。

                                参考文献:アスペクト編集部編 なつかしの給食 1997年